80年代 Gothic & Lolita archive ~coup de piedの場合~

 ロリィタファッションは「少女服」であるため、「いつ・どこで」誕生したかをはっきりさせることは難しいのだが、定義を「大人が着る少女服・そのようなコーディネート」とするならば80年代には見受けられていたらしい。

例えば「MILK」や「Jane Marple」もそうだし、「coup de pied」(クードゥ ピエ)や「ATSUKI ONISHI」、「田園詩」なども挙げられる。

とりわけ、80年代から90年代に発行されたファッション雑誌「Olive」に掲載されているものは、大きな丸襟でレースやフリルが付いたブラウス、パニエで膨らませるスカート、ファンシーなプリントなど、今のロリィタファッションに通ずるものがあるだろう。

私は、2002年頃にゴシックロリィタを知ったのでそれより以前については人から聞いたり、雑誌を読むことで情報を得ている。

松田聖子さんのファンの方から田園詩というブランドと「Olive」を教えてもらい、楠本まき氏が紹介していたことによりcoup de piedを知った。フリッパーズギターの楽曲を聞いたことで更に1990年への思いは加速し、私は2015年頃には四半世紀遅れのOlive少女になっていた。



ロリィタ。

今ではすっかりファッションジャンルのひとつになり、「ヘッドドレス」や「ジャンパースカート」など、一般のアパレル名称とはまた違うものを指す名称でさえ当たり前のように使われるようになったのだが、ロリィタファッション黎明期、そのような固定されたものがなく、デザイナーが確固とした気持ちで製作したであろうアイテムに、「この世間では叶えがたい乙女心」を強く感じ、私はそのような服に惹かれていった。

そんなわけで、私は10年以上前から80年代のロリィタ的アイテムを収集している。

ただ所有しているだけでは、と思い(一部はたまに着ている)、数はないのだが、古のロリィタアイテムをこのブログで紹介したい。

第一回目は、coup de pied (クードゥピエ)である。

林和子氏がデザイナーで、現在は同名でバレエウエアのブランドのようだが、80年代後半には「Olive」系のブランドだったらしい。

楠本まき「KISSxxx」で主人公の少女「かめのちゃん」が着ているのがこのブランドとされている。

嶽本野ばら氏が「花形文化通信」の「【帰ってきたそれいぬ】第28話 文・嶽本野ばら クードゥピエ 来るべきゴシック氾濫期への予習・3」の中でこのブランド(野ばら氏風に言うと「メゾン」)について言及している。

https://hanabun.press/2021/06/11/novala28/

私も野ばら氏同様、このブランドにはロリィタというよりもゴシックを感じる。

モノトーンが多く、見た目はゆったりとしたものが多いが、棒のように細くないと着られないものや、ずるずるした袖にボタンがずらっと並んでいるもの、ペンシルのように細長いニットワンピース、こういったデザインは「ゴス」であろう。

しかし、どこかに「少女性」を秘めている。

私は少女でなくなってから、服の中にある少女性を見出すことが出来るようになったと感じる。

自分にはないもの、消えてしまったもの、でもかつて確かに持っていたものー。

それが、「この世間では叶えがたい乙女心」なのであろうか。




ウールのワンピース
ローウエスト切り替えで、
身頃部分はかなり細い。
ニットにパフスリーブ部分を重ねた袖と
連続したボタン。







ピンタックのワンピース
大きな襟と生地全体に施されたピンタック



ニットワンピース
幾何学模様の編み模様に
ペンシルのように細いデザイン。











ニットのセットアップ

道化師のような袖の形がおもしろい。

トップスもスカートもAラインに広がるが、

あえて広げずに思いニットのドレープを楽しむものだと思う。





ウールのジャケット

ケープを羽織っているような、Aラインのデザイン。

化石の形のボタンは一体どこで作っていたのだろう。




アコーディオンプリーツのスカート

裾には中綿入りのトリミング。

ウエストが55㎝くらいしかない。






帽子

私がかぶると

「どんぐりの妖精」みたいになる





ブローチ

うねうねした空想上のドライフラワー?

ニットのセットアップを購入した時に

以前の持ち主の方がおまけしてくれた

うねうねの茎はワイヤーになっていて変形できる






これらのアイテムはすべて私物で、今後販売する予定もありません。

どうか無断転載はしないで下さい。もし、ネットオークションで見かけても詐欺のサイトなので買わないでください。


All of these items are personal items and will not be sold in the future.

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